五葉松の取り木は難しいことが多く、あまり一般的とはいえない。 これまで行われてきたのは、端祥や九重(やや発根しにくい)などの八房系五葉松の、作り替えなどに見られる程度である。 相当量作られた五葉松だが、黒松の台木で増殖された個体の取り木は相当に難しいらしく、ほとんど例を見ない。 例えば宮島五葉松は、あれほどの優良個体であり、㎝年以上も作り続けられた有名種でないほどである。 五葉松の古樹の取り木が全くダメということではないが、取り木素材 として考えられているのは実生樹の畑作りや、鉢作りの四国系五葉松の頭部の利用など、限られたものである。 畑作り五葉松では、20~30年生の那須五葉松の上部の取り木が著名で、まれに行われる。 那須五葉松の小品~中品の作品は時折見られ、五葉松は、浅間系(福島系かもしれない)の実生7年生程度の素材。 目的は足元すぐからの株立ち五葉の小品。 ありそうで作りにくい作品で、実生仕立てではどうしても立ち上がりが残る。 枝の分岐までのー㎝程度が(貝割れの立ち上がりの軸部分)最後まで残るわけである。 |