ヤマモミジの1曲作りの作品の1例である。 1曲作りとは特に定着した技法ではないが、ちょうど指を90度に曲げたような素材の利用法である。 むろん、枝も葉もない状態から作り上げていく。 例えば庭木や山樹の1部の、折れ曲ったような幹部分を取り木するわけである。 立ち上がりから、幹の左の切断面までが以上の1曲ある幹部分。 取り木による発根である。 最初は88年だが取り木はその4年程前。 中品樹として趣味家が作っており、その中品の上部を切り飛ばして小品化したものである。 大樹の相で野趣のある模様樹がその目的である。 枝の構成は幹の右側の1枝(呼び接ぎ)、左側の切断面の下の1枝、そして頭部の3本が基になっている。 頭部はーmちかく走らせそれを切り込む。 基部を太らせたいためである。 頭部の基にも小枝が残されている。 短節化した部分を使用していることに注目していただきたい。 以前作出していたような、完壁な構成の模様樹とはやや違い、大型の動きのある幹の強い曲が特徴。 ひとつのタイプを完成すると、次のステップにむかうのが河村さんの方法で、この樹はその傾向が現れている。 |