寒グミの小品は人気が高く、小晶ボンサイ家ならば棚場に1鉢はあるもの である。 挿し木や取り木から仕立てた紬幹の持ち込みは風情があり、初心者にもベテランにも熱中する人が多い。 太幹の寒グミの小品は少々難しい分野で、鉢で永く持ち込んでも太くなりにくい。 いわゆる短幹・太幹の寒グミはありそうでごく少ない素材なのである。 自分で山採りしてきた寒グミの素材は94年ごろのことである。 足元に1曲ある太幹で径約5㎝。 山ではかなり年数を経た樹と思われるが、このように立ち上がりの面白い樹を採取したわけである。 寒グミの古幹の挿し木は難しいとされ、このあたりが小品の太幹樹の少ない理由と考えられる。 掘り上げて活着後2年ほどのものである。 5月では素材を斜幹に傾けて植え付咳ボンサイ化にとりか穿智隷.二る。 幹径の印象は手で示した寸簾糠,紬お判りいただけるだろう。 仕上瞭健・はあと数年を要するが、約2年で稜の基本形ができ、半懸崖樹として注目される樹へと変貌したようである。 ズミは小品の、この樹種のなかでも有数の作品と考えられている。 愛好家が棚場で永く持っていたと伝えられ、当時から様子を知る入から注目を集めていた作品である。 入手して4~5年。 前持ち主が手離したのは実がつかなかったためである。 ズミの幹が荒れるようになるのが大変で、若樹からでは長い時間が必要。 ズミは細く、縦縞が入るように荒れており、小品ではあまり見かけない。 コレクターが眼の色を変える素材だが、日本中でも数は多くない逸品のひとつ。 ズミの樹勢の強い部分の枝を折り、基部に花芽をつける作業。 庭植えのズミは走り枝が伸び、その基の短枝が多くなってそこに結実する。 ボンサイでは締めると結実しにくい。 仕上がりの高さは18㎝の予定。 |